Book

シャーロック・ホームズの冒険(あらすじ・感想)傑作短編集

世界で一番有名な探偵は誰かと聞かれたら、皆さんは誰と答えるでしょうか?

私の答えは間違いなくシャーロック・ホームズになるでしょう。シャーロック・ホームズはコナン・ドイルによって生み出された名探偵、というのは有名すぎる話です。

相棒は医師のワトソン。主にホームズが事件を解決し、その功績をワトソンが記す、という役割になっています。そして彼らは良き友人同士でもあります。

シャーロック・ホームズには長編と短編があり、数でいうと短編の方が多いです。よって、いくつかの短編集が発行されています。

今回はその短編集の中でも一番最初に発行された「シャーロック・ホームズの冒険」を読みました。なおオリジナルの「シャーロック・ホームズの冒険」には12編でできていますが、文庫本版にはそのうち10編が収載されています。

あらすじ

ロンドンに巻き起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズは、その怜悧な推理と魅力的な個性で読者を魅了する。近代小説を確立したホームズ物語の第一短編集。赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う『赤髪組合』、乞食を三日やったらやめられない話『唇の捩れた男』など10編。
出典:本裏側の説明より

原作自体が古く(1892年発行!)、翻訳されたのもだいぶ前なので「乞食」というような今では使わない言葉もチラホラ見かけます。その古さが今にはないレトロなよさを感じさせてくれる作品です。

なので少しばかり読みにくいとこもあったり、今では馴染みのないものもでてくるので、ちょっと理解が大変なところもあるかもしれません。

しかし話の内容は身の回りに出てきそうなものも多いので何となく想像はしやすいと思います。

それでは短編10話のタイトルとあらすじを紹介します。

ボヘミアの醜聞

ある国の王様からの依頼。過去の恋愛相手が現在の結婚を邪魔しようとしているので、困った王様はホームズに助けを求めます。その相手とはどんな人なのか。ホームズは王様を守ることができるのか。

赤髪組合

髪の赤い男がホームズのところへ奇妙な相談をしにきます。それは自分が働いていた場所が急になくなってしまったこと。しかしそれよりも奇妙なのが、その仕事の内容と募集条件でした。赤髪組合とは一体…

花婿失踪事件

ある女性がホームズに「花婿を探して欲しい」と依頼してきます。その花婿は披露宴の時に急に馬車からいなくなってしまったと。しかし何かとタイミングがおかしいと疑うホームズ。その花婿は一体どこへ行ってしまったのか。

ボスコム谷の惨劇

ある谷で1人の男性が殺されてしまいます。そして警察はその時の殺害状況から殺された男の息子を逮捕しました。しかし息子は犯行を否定していて、それを信頼する者もいます。何よりもその男が死に際にはなった「鼠」というワード。果たして犯人は。

オレンジの種五つ

ある青年がホームズを訪ねてきました。あるものが送られてきて、その後まもなく自分の叔父が亡くなってしまったというのです。その送られてきたものとは「オレンジの種が五つ」。それが意味するものとは…

唇の捩れた男

ある婦人が自分の夫がいなくなってしまったと、相談にきます。しかもそれは目の前で居なくなってしまったというのです。しかしそれには何やら怪しい男達の影あり。ホームズ達は無事に夫を探し出すことができるのか。

青いガーネット

ホームズの知り合いの守衛が、ある喧嘩を目撃し、その場にあった帽子とクリスマスに食べる用の鵞鳥(ガチョウ)を拾いました。なんてことのない落し物だと思っていましたが、なんと鵞鳥の中には青いガーネットが入っていました。

まだらの紐

ある女性が非常に怯えながらホームズに助けを求めます。彼女は双子の姉がいましたが、ある夜急になくなってしまいました。死ぬ間際に悶えながら発した言葉が「まだらの紐」という言葉でした。そしてその恐怖を今度は妹が感じているというのです。

花嫁失踪事件

結婚式の当日、ある貴族の男性の婚約者がいなくなってしまいました。そこにはその男性の過去の恋愛相手がいました。この恋愛相手に対して疑いが向けれられます。その後新婦の着ていた服や指輪が全て川の底から発見されました。花嫁は一体どこへ…

椈屋敷

割の良すぎる仕事を見つけた女性。しかしその仕事の条件が奇妙すぎるので、ホームズに相談します。その条件とは座る場所など、細かい指示を聞くことや、髪を切ることなど。そして彼女はその屋敷であるものを見てしまいます。

感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

短編集なので1つ1つの話に対しての詳細や、感想は省かせていただきます。ただ言えることは、総合して非常に面白い話ばかりだった!ということです。シャーロック・ホームズの良さがよく出ていましたね。

シャーロック・ホームズの短編集のいいところは、事件の解決までがスピーディーなところでしょう。

かなりの確率で、最初に依頼人が来て話し終えた瞬間からホームズはほぼ大体の目星はついていて、あとはそれを確実にするために調査をする、というパターンがあります。

それゆえに、読んでいても良い意味で何のハラハラ感もなく、落ち着いて読めてしまいます。

シャーロック・ホームズの代名詞といえば「人間観察」。会った瞬間に(見た瞬間に)その人のことが細かくわかったり、物を見てそれがどんな持ち主なのか、などを推理することができます。

答えを聞く前の推理を聞くと「そんな馬鹿な」と誰もが思うと思います。色々読み取りすぎているので、言われたところで簡単には信じられないでしょう。しかし説明を聞くと「あ、確かに」と納得できてしまうからすごいです。

ホームズはワトソンや一緒に捜査する警察に対し「見ているだけで観察していない」と言います。ホームズのほうが他の人よりも多くの情報を得ることができるのはそれが理由、ということです。

まあそれにはその事実に気づくことのできるほどの広い知識が必要なので、彼には共に備わっていることになります。

うちのネコ
うちのネコ
単純に憧れますね

なおストーリーに関して、某名探偵(蝶ネクタイに麻酔銃)を見ているせいで、取り扱う事件は殺人ばかりなのかな、と思いがちですが、決してそんなことはなかったのも良かったです。

むしろ一般にあり得る身近な謎のような依頼も多かったりします。現に今回の短編集でも殺人系は少なかったです。なので一般市民の私としては非常に馴染みやすく読むことができましたね。