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去年の冬、きみと別れ(ネタバレ・感想)映画ではなく原作の方です

あらすじ

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は――。
内容紹介より引用

2018年4月現在映画化もされている中村文則さんの小説、「去年の冬、きみと別れ」を読みました。内容はミステリーとなっていて、主人公はある殺人犯の本を作ろうとして、本人に面会しに行きます。しかしそこにはいろいろ不可解なことが…というお話です。

個人的な評価としては、それなりに楽しめる、って感じですかね。驚かされた部分はありましたが、読み終わった後に「読んでよかった…ありがとうございます!」って気持ちは正直出てこなかったです…

あまり色々言うとネタバレになってしまいますので、早速ネタバレを感想を含む言わせていただきます。

今回は中村文則さんの著書【去年の冬、きみと別れ】を読んだ感想を紹介します。

感想

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

まずこの小説を読んだ一番の感想は、とにかく色々激しかった、という感じです。展開のスピード感もそうですし、主人公の気持ちに関してもそうでした。

順にお伝えすると、展開のスピード感ですが、そもそもページ数が多くないのでサッと読めます。そしてそれに追加して、どんどん情報が流れてくる形なので、読み始めたらのめり込まれます。

ミステリー作品ではありますが、いわゆる謎解き要素は少ないので、『あの街へ行ってみましょう』→『証拠が出てきた!』みたいな展開があまりありません。よって途中ダラけてしまうということは全くなかったです。

ただし展開の速さと巧みな演出方法(時系列などの配置)で、理解できずに置いてかれる人もいるだろうな、とも思いました。

一応簡単に説明しておくと、カメラマン木原坂雄大のアトリエで起きた1件目の事件。この事件に関しては事故だったわけです。それを知った編集者(1件目の事故の被害者の元恋人)が2件目の事件を犯します。その被害者はカメラマンの姉。よって死刑判決を受けたカメラマンの木原坂雄大は無実です。(まあ助けられるところを助けなかったのだから、個人的にはバリバリ有罪ですけどね)

主人公の気持ちに関して、今回のストーリーは言ってしまえば全て復讐を誓った男の行動記録、と言いますか。話し手は異なりますが、冷たくて熱い怒りみたいなものがそのまま小説になったような印象を受けました。なので結果的には「なんだか激しい作品だったな」と思ってしまいましたね。

犯人だった編集者は、女性を愛する気持ちも、それを失った悲しさも、復讐を誓って人間をやめるという決意も、全てメーター振り切ってるような気持ちの持ち方をする男性だなと。良い意味で言えば、まっすぐな人。悪い意味で言えば、のめり込んでしまう人、って感じでしょうか。

個人的にはこの編集者に共感できる部分は正直多かったです。やはり彼女が何と言おうと心配してしまう気持ちを持っているのは当然だと思いますからね。彼と彼の恋人であった盲目の女性は不幸しかなかったと思いますので(でも殺人はもちろんダメです)あの姉弟が結果的に破滅となった結末にスッキリしてしまったのも事実です。

ただ少しだけ言わせて貰えば、木原坂朱里。あんな女いますかね?まあ小説の世界ですし、世界は広いので、まあどこかにいるとは思いますが、なんとなく無理やり感があってそこだけ「えっ…」ってなってしまいましたね。

身体を抱かせてその後相手の心をえぐって楽しむ、みたいな。まあ一般的に言ったら「狂ってる」としか言いようのない女でした。それがちょっと非現実的で浮いてしまったような。それ以外が非常にリアルというか、なんとなく現実に感じれる内容だったから余計にそう感じてしまったのかもしれませんが。

あと気になったと言えば、やはり弁護士の存在ですかね。結果的に詳しい内容は出てこなくて、とにかく木原坂朱里を恨んでいた、という。ここの内容がもっと深くてもいいかな、と思いました。どんなことされたとか、そうゆうのも少し知りたかったですね。

そうすればより木原坂朱里のダークな部分も見れたと思いますし。

ということで、個人的にはそれなりに楽しめた作品でしたが、深くいえばもっともっと細かく知りたかった、という感じです。

また結局最後のイニシャルがよくわかりませんでした。これは他の人の考察サイトで理解させていただきましたが、個人的には「わかるかー!」って感じでした。

理解力の乏しさは、どうやったら補えるのだろうか

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