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映画『鑑定士と顔のない依頼人』ネタバレ感想。ラストの意味は…

ジェフリー・ラッシュ主演の映画、鑑定士と顔のない依頼人(The Best Offer)。

映画に出てくる町並みや雰囲気などが非常にオシャレで、いかにもヨーロッパという感じの映画です。なお鑑賞後に知りましたが、イタリア映画だったようです。

勝手なイメージでヨーロッパの映画はオシャレだけど退屈ってイメージがあったのですが、この作品はぐいぐいと引き込んでくれました。

この映画はサスペンス映画としての位置づけですが、様々な要素が盛り込まれています。それがさらにサスペンスの濃度を濃くします。

また、日本語のタイトルが非常に興味をそそるタイトルだと思いませんか?「顔のない依頼人」とは一体どんな人物なのでしょうか?

ちなみに原題は ”The Best Offer” 、つまりオークションなどの最高付け値のことをいいます。

あらすじ

天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺(のこ)した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
(シネマトゥデイより)

決して姿を現さず…ここがいわゆるタイトルの「顔のない依頼人」ということでしょう。

うちのネコ
うちのネコ
センスが光りますな

レビュー

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

彼がお金持ちというのは最初の数分でわかります。それと同時に、あまり人付き合いが上手なタイプでないこともわかります。

そんな彼は恋愛をしたことがなく、興味があるのは絵画の中の美女たちという、一見おかしな老人です。

しかも今までに女性経験のない、つまり童貞で、未婚で60歳を過ぎています。

結果的に「顔のない依頼人」は、あることがきっかけで、ヴァージルの前に姿を現します。そして若くてとても美人なその女性クレアに恋をしてしまいます。

このサスペンス云々よりも、まず良かったと思えるのがここです。

60歳男性が若い女性に恋をする、彼にとって人生初の純愛ともいえる内容は、ミステリー映画ということを忘れさせるくらい良かったです。

ジム・スタージェス演じるハンサムな青年機械技師のロバートから色々と恋愛のアドバイスを聞き、一生懸命実行して行く姿は気持ちわかりすぎます。

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人を好きになった人がその人に好かれたくて努力したり考えたり悩んだり。誰もが一度はあるあの経験です。

うちのネコ
うちのネコ
あの甘酸っぱさは、ほんとなんとも言えんのよね

さて映画に関して、序盤は依頼人の声しか登場せず、代わりに昔の精巧な人形「オートマタ」というものが登場しました。

この時私は、”オートマタという昔の精巧な人形が実は依頼人だった”、というファンタジー映画的な結末を予想しました。その声の主は結局人形でした、ってオチです。

しかしその後クレアが(結構普通に)出てきてしまったので、まずそこで裏切られましたね。あらっ?!って感じでした…

その後ヴァージルとクレアの恋を見て『なんか良い映画なぁ』とボケーっと見てしまいましたが、 終盤まで見ていてハッと気づかされました。これはミステリー映画だったと。

うちのネコ
うちのネコ
途中ぐらいまでは『これは製作側がジャンル分けを誤ったな』と普通に思っていました

ま、製作側にとっては私みたいな鑑賞者が絶好のカモなのでしょう。見事に騙されました。

そして騙されたときは驚きで感動すらしました。

結果として、作品の真偽を見破る天才だったが、人の気持ちの真偽は見破れなかったという皮肉な結末です。

ヴァージルは心に大きな傷を負い、老人ホームに入ってしまいます。裏切られたヴァージルは全てが無気力になってしまい、まるで人が変わってしまいます。しかし、送られてきた1通の手紙を読んだところから突然彼の中で何かが動き出しました。

ヴァージルは騙される前に、クレアとある場所について話をしていました。それはある街のレストランのことです。ヴァージルは手紙を読んだ後に、そのレストランに向かいますが…

その理由が私にとって謎でした。彼はなぜレストランに行ったのか。

この謎に関して、映画の中では語られていません。レストランについたヴァージルが、険しい表情で人と待ち合わせしていると店員に言って終了となります。

レストランに行った理由に関して、2つの可能性が考えられます。

1つ目は、ヴァージルはクレアと会うために行った。

2つ目は、クレアが話していた場所に思い出として行ってみたかっただけ。

他の方のブログを見ると、様々な推測がなされていました。多かった推測として、老人ホームに入ったヴァージルが一生懸命リハビリをしたのは部下が持ってきた手紙の中にクレアからの手紙があったからだ、というハッピーエンドな推測です。

しかし私個人としては、その理由は納得できませんでした。個人的にはやはりバッドエンドだと思いましたね。

レストランにいく前にやっていたリハビリも「リハビリを頑張ってる」、というよりは「やらされてる」と感じ取れました。

喜びよりも、憎しみのようなものが感じ取れ、最後のレストランのシーンでも『期待を胸に待っている』という表情ではなかったように思えます。

しかしバッドエンドで終わらせるなら、絵が全部なくなったと気づいたあの所で、すぐさまエンドロールでも良かったかなと思います。

そのあとも色々付け足したのは、やはりハッピーエンドのためなのでしょうか?それとも結果的にはバッドエンドだけども、かすかな希望を信じて努力をし、クレアに会える可能性を信じてレストランに向かう、という彼の本当の愛が見えたというハッピーエンドのためなのでしょうか?

なお、製作側はハッピーエンドだと言っているようです。しかしハッピーエンドにも限りなくバッドエンドに近いものもあります。

全ては見た人の感じ方次第ということでしょうか。是非この映画を見た人と意見を交わしてみたいです。

うちのネコ
うちのネコ
結局依頼人は最後まで出てこない系の映画だと思ってたから、クレアが普通に出てきて驚いた。そのあとクレアのおっぱいが出てきたのは別の意味で驚いた。