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小説『悪意』ネタバレ感想!上手すぎる構成に騙され続けた私!

小説が好きな人は知らない人はいないであろう、東野圭吾さん。

今回は東野圭吾さんの小説「悪意」を読ませていただきました。

こちらは1996年9月に発行され、本作を原作としたテレビドラマも製作されています。

この小説、一言で言うと…

うちのネコ
うちのネコ
驚きと胸糞の悪さのフィフティーフィフティー

今回は東野圭吾さんの小説「悪意」のあらすじ、ざっとネタバレ、そしてレビュー感想をご紹介します!

あらすじ

有名小説家の日高邦彦が自宅で他殺体となって発見された。刑事の加賀恭一郎は、日高の親友である児童小説家の野々口修が書いた「事件に関する手記」に興味を持つ。加賀は聞き込みや推理を通して、野々口の手記に疑問を抱くようになる。やがて犯人が明らかになるが、犯人は犯行の動機を決して語ろうとはしないのだった…。
出典:Wikipediaより

ざっと内容紹介

これ以降はネタバレを含みます。また、分かりやすいように箇条書きにしました。ご注意ください。

事件の章 野々口 修による手記

・日高が奥さんとカナダへ行く
・日高が近所の猫を毒の入った餌で殺す
・日高の書いた小説の件で文句を言ってくる
・日高が殺される。発見者は野々口。
・加賀恭一郎が野々口の調査を始める

疑惑の章 加賀恭一郎の記録

・加賀と野々口はかつて教師をしていた時同僚だった
・加賀と野々口に対して疑惑を向ける

解決の章 野々口 修による手記

・野々口にはアリバイがあったが、加賀がその謎をとく
・野々口は逮捕される。

追求の章 加賀恭一郎の独白

・野々口が癌だったことを知る
・家宅捜索後「日高の小説の内容が書かれた大量のノート」「女性の写真」「女性用のエプロン」「プレゼント用のブレスレット」などが発見される。
・野々口が持っていた女性関係のものは日高の前妻”日高初美”のものだった。
・野々口が日高のゴーストライターだったのではないか?という疑惑が生まれる。

告白の章 野々口 修による手記

・野々口は日高の前妻”日高初美”と不倫していた。お互い愛していた。
・日高を殺すことを決意したが失敗、証拠も握られてしまう。
・野々口はそれをネタにゴーストライターをさせられていた
・それに罪悪感を感じた日高初美は自殺

過去の章その一 加賀恭一郎の記録

・世間はゴーストライターをさせていた日高をたたく
・過去にいじめの問題があったことを知る
・ペンだこのできた野々口の指を見て加賀はあることを閃く

過去の章その二 彼らを知る者たちの話

・野々口と日高をよく知る人間たちの話
・過去に2人組による女子暴行事件があった

過去の章その三 加賀恭一郎の回想

・加賀が教師をしていた頃、いじめの件でつらい過去があった
・いじめというのは特に意味はなく「気に入らないからやった」ということがある

真実の章 加賀恭一郎による解明

・野々口の手記に書かれたことは全て嘘だった
・加賀を殺そうとした過去もないし”日高初美”との不倫もなかった
・日高初美は自殺ではなく事故死だった
・野々口の家の「大量のノート」は野々口が日高の小説をただ書いたもの
・過去に起きた女子暴行事件の犯人の1人が野々口だった

ただ野々口が日高のことを気に入らなくて陥れようとした犯行だった


レビュー・感想

もうホント上手すぎる小説。この構成が本当にこの小説の驚くべきところでしょう。

よく見るとわかりますが、この小説の結局2人の人の目線でしか書かれてないんですよ。

まあ普通語り手は1人かもしれませんが「2人の目線」ってところがすごい。

客観的な事実はなく、2人が勝手に言ってることなんで基本嘘だかどうだかわからない…

だから野々口の手記は全てホントのことによう見えます。『こんなことが…』『不倫をしていて…』『日高にはめられて…』とこれらが全て事実のように聞こえる。

途中まで読んでいた人はきっとこのように思っていたと思います。

うちのネコ
うちのネコ
『日高最低だな!野々口さんの気持ちもわかる…そしてそんなに苦しんだのに癌なんて…』

こう思った人はまんまと東野圭吾さんにやられましたね。(もちろん私も)

それが一変、野々口の全て作った話で「日高さん」は全然悪い人ではなかったと!ここで一気に『日高さん可哀そう…』と思った人も少なくないと思います。

さあ、このような作品で私が感じた2つの罪について書いてみます!

マスコミの罪

「ゴーストライターをしていた」という野々口の手記でマスコミが盛り上がり、殺された日高さんを悪く言うような報道。

現に作品にもこのように書かれていました。

確かにテレビのワイドショーでも週刊誌でも、日高邦彦が殺されたことよりも彼が友人の作品を盗んでいたことのほうを大きく取り上げている。しかもその裏に、前妻の不倫が関わっていたとなれば、普段文壇とは縁のない芸能リポーターたちもまでが喜んで飛びつくのも当然といえた。
本書より引用

これってまずどこからバレたのか…警察がマスコミに発表した?それとも手記の内容を野々口が公開した?

どっちにしても、これで日高さんは世間的に悪い評判となってしまいました。

しかし結果は違ったわけです。野々口のデマに惑わされ、みんなが信じ、記憶として定着しました。

このマイナスの印象を与えたマスコミ。『やっぱり違ったよ!』ってプラスの印象を与えることをするのでしょうか?

しないでしょう。自分達が嘘ついていたことを認めるものだし、プラスの印象を与える仕事はしなさそうです。

となると、完璧に日高さんの負け。これは許せませんよ。

野々口の罪

こいつはなかなかの外道でしたね。クズで最低な奴です。

まあ「完全に同情できないか」、と言われたらそんなことはありません。彼もいじめられていた一人ですし、きっと女の子の暴行事件も命令された可能性がありますから。

また両親もいないということで、きっと孤独だったのも原因かもしれません。

ただ…いや、やっぱりクズで最低な奴ですね。

しかし、これには神様も見ていたような気がします。

結果的に野々口に特別な女性はいなかったようですし、病気にも侵され余命も短そうです。

ただ、これも読んだ後の推測ですが、最初に言った通り結局この小説は「2人の目線」です。

最後に加賀刑事が『日高少年はいい人だった』と言いましたが、これも実際のところはわからないわけです。

きっとそうだった、というだけで…

こうなると今回の小説ではわからないことになりますね。まあそれも小説の面白いところです。

なんにしても、びっくりすることも山ほどありましたが、加賀刑事の過去の話など、全体を通していい気分では読めなかった小説です。

ということで、驚きと胸糞の悪さのフィフティーフィフティーということでお願いします。

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