映画

スペイン映画『ロスト・ボディ』から学ぶ”理想の夫婦”と”復讐”

2012年に公開されたスペインのサスペンス映画、ロスト・ボディ(原題: El cuerpo)をご存知でしょうか?

日本では劇場未公開だそうで、2019年9月現在、アマゾンプライムビデオにて見ることが可能です。

死体安置所から女性の遺体が消えてしまう。しかもその安置所の警備員は交通事故に…これは何かある、何かあるぞ!ってなストーリー。

あまり知名度は高くないようですが、ストーリーは秀逸。徐々に引き込まれる映画。

まだ見たことない人は是非映画をみてくださいね。そしてここへ必ず戻ってきてね。

あらすじ

ある晩、死体安置所の警備員がトラックに衝突、轢死する。彼は何かから必死に逃走中でパニック状態であったらしい。その頃、安置所からはマイカ・ビジャベルデという女性の死体が消えていた。死体失踪の事件担当となった警部のハイメは、マイカの夫アレックスに連絡をつけて調査を始めるのだが…
allcinema ONLINEより引用

理想の夫婦…とは

※この後は映画のネタバレを含みます。ご注意下さい。

そんなこと考える映画だとは全く予期していませんでしたが…この映画から感じたことが「理想の夫婦」と「復讐」について。

まずは「理想の夫婦」。

今回のストーリーのメインでもあったアレックス・マイカ夫妻。なぜ結婚したんだよってぐらいの2人。

なんでも自分の思い通りになると思ってる妻。立場上逆らえない夫。笑えないジョークを飛ばしまくる妻。オドオドするしかない夫。

最後明らかになった事故に関しても、『逃げましょう!』と指示する妻に対して何も言えない(言おうとしない)夫。

こんなもん、最初から離婚がわかっていたような夫婦でした。

そこから感じたこと。

やはり夫婦というのはどっちにしても上下があったらダメということでしょうね。

妻が強いからOKということではなく、もちろん夫が強いからOKってこともない。

アレックスはマイカの支配されてる感じが嫌だったわけですよね。で、マイカに関しては自分の思い通りにできるアレックスが良かった。

でも、多分アレックスは対等な関係を望むタイプだったと思う。年下の学生であったカルラ(本当はエヴァね)に対しても素直に接して愛してもいたので。

となると、やっぱり問題はマイカと。上下関係つけたがる奴は結婚してはいけない、という教訓ですな。

理想の夫婦とは【上下のない対等な関係】ということ。

…といろいろごちゃごちゃ言いましたが、正直「理想の夫婦」なんて無いんですよ(おい)

お互いが理想だと思ってれば理想なんです。

マイカみたいな上に立ちたい人がいて、『妻に引っ張ってもらいたいんだ、ぼくは!』って人には理想な訳で。アレックスはイヤならイヤできちんと話し合うべきだった。

そうなると今回の諸々の悲劇は『アレックスの責任だ!』と言えちゃうわけです。

うちのネコ
うちのネコ
個人の感想です

復讐…とは

この映画の一番根底にあったことはやはり「復讐」でしょう。

最初は「アレックスに対するマイカの復讐か?」と感じさせておいて、最終的には「警部の家族の復讐だった」という終わり方でした。

復讐というのはかなり大きなエナジーを生み出したのは見ていてわかったはず。警部とエヴァの計画の念密さは見事すぎる。そしてアレックスに対する仕打ちはかなり残酷と感じました。

愛する人に裏切られて、隠しておきたかった過去を明らかにされ、結果殺される。

相当恨んでいなければあの結末にはならないと思います。特に警部の最後のネタバラシのところは鬼気迫ってました。

最後の一言が”tic-tac”ってところが怖い。よく英語で使う「時間が迫ってるよ〜」ってニュアンスの言葉。死にかけてる相手に対して見下ろしながら言うのは相当な恨みを表してますしね。

悪いことはしちゃダメなんだよ、って安易なことで終わりたくはないけど、誰かに『復讐したい』と思われるような行動はしてはいけない。

アレックスはもう少しちゃんと考えてから結婚を決めるべきだった。

アレックスは事故を起こした時に逃げずに通報すべきだった。

アレックスは奥さんを殺そうとなんかせずに全てを捨ててでも離婚して再出発すべきだった。

結果として今回の諸々の悲劇は『(やっぱり)アレックスの責任だ!』と言えちゃうわけです。

うちのネコ
うちのネコ
いやほんと個人の感想です
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