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写楽殺人事件(あらすじ・感想)浮世絵がちょっと詳しくなる小説

あらすじ

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田も、ふとしたことからヒントを得て写楽の実体に肉迫する。そして或る結論にたどりつくのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていて―。浮世絵への見識を豊富に盛りこんだ、第29回江戸川乱歩賞受賞の本格推理作。
出典:AmazonBOOK 内容より

高橋 克彦さんの推理小説、写楽殺人事件。出版されたのは1986年。30年以上の前の作品ですが、非常に評価が高く、江戸川乱歩賞受賞の本格推理小説ということで、読ませていただきました。

写楽とはあの浮世絵で有名な写楽のことで、タイトルは写楽殺人事件ですが、別に写楽が殺されてしまうという事件ではありません。浮世絵の研究者である主人公が、ある本を手にしそれがきっかけで写楽の正体に迫っていく、という話がメインとなっています。そこに付随して起きた殺人事件も巧みに絡んでくる、といった感じですね。

読ませていただいた感想としては、読むのが非常に大変で楽しめなかった、というところですね。理由は幾つかあります。

今回は高橋 克彦さんの著書【写楽殺人事件】を読んだ感想を紹介します。

レビュー

これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。

まずストーリーとして、主人公の浮世絵研究生の津田が、ある本を手に入れます。そこには「東洲斎写楽」の文字があり、そこから写楽は一体誰だったのか、と探し始めます。そしてそれと同時に有名な浮世絵の研究者が謎の自殺をします。それが同時進行で進んでいき、最後には重なり合う、という感じです。

ただここで、私と同じ感想を持った人がいると思います。写楽が一体誰だったのかって…写楽って人、実際にいなかったの?!ということです。

私は浮世絵には全く詳しくありません。しかし写楽という名前は聞いたことがあります。また歌磨や、北斎なんかも聞いたことありますね。しかし彼らの有名な作品もどれがどれかと聞かれてもわかりません。しかし多くの人がそうではないかなと思います。特に若い人なんかは。

その程度の私にとって、もちろん写楽という人物は普通に実在する人物だと思っていましたが、違うんですね。調べてみると、今でも誰が写楽だったかはわかっていないようです。じゃあルパン三世の「浮世絵ブルースはいかが」というエピソードに出てきた”写楽三世”っていうのは100%嘘ってことになりますね(笑)

小説の感想ですが、その写楽は一体誰だったのか、というストーリーが半分以上占めてしまっています。その内容に私は途中でうんざりしてしまいましたね。推理小説として読みたかった人にとっては、正直浮世絵の内容が多すぎたような気がします。特に浮世絵の説明をするところや、誰が写楽かを推理するところはただ社会科の教科書を読んでいるような感じで、推理小説でそれは求めてないのにな〜と思ってしまいました。

またこれは仕方のないことかもしれませんが、謎解きというか、全体の真相をつかむ時の方法が、ちょっとがっかりでした。調べていた人が長い手紙を残しており、そこに全て書いてあるというやり方。『そーゆうことか!』みたいな電撃を浴びる瞬間がなかったのが残念です。

浮世絵の内容や情報はすごく多く、ストーリーになっている為、普通に勉強するよりはわかりやすかったと思います。だからこそ、殺人事件と絡めてわざわざ推理小説にしなくてもな、と余計に考えてしまいましたね。写楽の謎を追う、という内容の普通の小説でも良かったと思います。

上記のことがあり、殺人事件もほとんど頭に入ってきませんでした。本当に前半と後半の内容が違いすぎて、ともに中途半端で終わってしまった感じが強いです。そのため登場キャラにも深く入り込めなかったので残念でしたね。

ただしじっくり読めば浮世絵に対して色々な知識は得ることができます。そして『写楽って未だ誰だったかわかっていないんだぜ?』とドヤ顔することもできます。 ただし、それ以上ツッこまれるとピンチなのでツッこまれたときの回避法も考えた上でドヤ顔しましょう。

途中で「犯人だれでもいいよ」と思ってしまった私を許してほしい

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