おそらく劇場版ルパン三世で最も有名で、多くの人が大好きであろう名作、ルパン三世 カリオストロの城。
監督はあのジブリ作品でおなじみの宮崎駿監督で、しかも宮崎駿監督の初監督作品という記念作。
この映画はきっとルパン三世のファンなら見たことない人はいないでしょう。そしてファンじゃない人でも多くの人が見たことあるであろう、そのぐらい有名な作品だと思います。
そして同時にルパン三世ファンからは評価が分かれる作品としても有名ですね。
ルパン三世のファンの私としては、有無を言わさず大好きな作品で、見たことない人には是非見てもらいたい作品です。
世界観といい、音楽といい、ヒロインの可憐さといい、憎々しい敵の存在といい。全てが揃った素晴らしいアニメ作品だと思っています。
もちろんルパン一味の魅力もたっぷり詰まった作品です。
今回は、映画【ルパン三世 カリオストロの城】のあらすじとネタバレを含むレビューを紹介します。
あらすじ
世界的な怪盗ルパン三世の一味はモナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出すが、それが真券同然の精巧さで知られる幻の偽札「ゴート札」であることに気づく。ルパンには、若気の至りでゴート札の秘密を暴こうとして痛い目に遭った過去があった。「次の仕事は決まったぞ」と札束を撒き散らすように投げ捨てたルパンは、ゴート札の出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国に向かう。
出典:Wikipedia
レビュー
これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。
この作品を見て、ルパン三世のファンの方は賛否両論になるといいます。
「否」の方の理由としてよく目にするのが、映画カリオストロの城に出てくるルパンは本当のルパン三世からはかけ離れている!というものですね。
原作のルパン三世は、映画カリオストロの城の中で描かれているような優しい義賊ではなく、もっと残虐で目的のためなら手段を選ばない、という男です。
なので原作のルパン三世を本当のルパンだと感じているファンの方からしたら、まったく違うルパン三世に見えたことでしょう。
その逆も然り、かっこよくて面白くて、時にドジで何より女好きで…いわゆるテレビの「ルパン」がルパン三世だと思っているファンの方からしたら、最高の映画と感じたはずです。
ちなみに先ほどもお伝えした通り、私にとっては大好きな作品です。
私の中のルパン三世と言ったら、テレビシリーズのセカンドシーズンのルパン三世ですからね。
もちろん銭形のとっつあんも含まれてます
正直、私にとってこの映画には良いところ・好きなとこしかないです。なので今回はそれらを紹介させていただきます。
まずは、カリオストロ公国という舞台が良いですね。
西洋の街並みやお城など、日本人はなかなか行くことのできないヨーロッパ風の世界観が冒険心をくすぐります。
またルパンと次元が最初にパンクしたタイヤを直すところ。あんな荷物を持って気の合う仲間と旅をするって…
男性だったら一度は憧れるシチュエーションじゃないでしょうか。映画開始後いきなりあんなシーンで「いいなぁ〜羨ましいな」と思えてしまう世界観。
次は音楽ですね。
テーマソングの「炎のたからもの」は意外としっとりとした感じで 全体的な映画の雰囲気とは異なるんですが、ストーリーの裏側にある繊細な部分には 非常にマッチしているんですよね。
また個人的にはこのテーマソングのおかげで、よりストーリーの表側が明るく光るような気がします。
それと同時にこのカリオストロの城は、ある意味悲しい話なんじゃないかなとも思わせてくれます。
悪い伯爵によって囚われた王女様がいて、ヒーローに助けてもらうものの最後は彼女を思って離れていく。
もちろん悲しい映画なんて思ってはいませんが、そうゆう話のベースがあるからこそ、 あの悲しげなメロディーの「炎のたからもの」が映画にマッチするんじゃないかなー、と勝手に考えたりもしました。
次はお待ちかねのクラリスです。
これぞTHE王女様という感じで、性格も優しいし、気品もあって、何よりカワイイ。世間知らずそうなところもいいですね。
個人的に一番好きなセリフは、やはり最初にルパンに助けてもらったときの声をかける一言ですね。
気を失ったルパンに対して『もし!』ですよ。。気品が溢れているではありませんか。
また逃げる途中、銃弾が跳んできていても、助けてくれた次元とゴエモンを気にかける優しさ。そして次元を『次元様』と呼んでしまうところ。
何よりあのゴエモンに『可憐だ…』と言わせてる時点で、もう女性としての魅力が詰まった御人だとわかるでしょう。
話が壮大で、ヒロインがいたためルパン一味の活躍があまり見ることの出来ない作品ですが それぞれの良さは短いながらしっかりと出ていました。それぞれのお気に入りのシーンを紹介します。
まず次元のお気に入りのシーンはカリオストロ公国に入ったところです。
ルパンからゴート札の噂を聞いた次元が 『怖いから俺寝る』というシーンです。
たまに出るお茶目な次元。今回もしっかり出てましたよ!
ゴエモンは今回一番出番がなかったと思いますが、クラリスに向かって言った『可憐だ…』が今回彼の最大の見せ場だったと思います。
その後の斬りまくるところは、相変わらずのかっこ良さで、最後にジョドーに告げた言葉もゴエモンらしくて良かったです。
不二子ちゃんは今回お色気シーンが無かったのは残念ですが、ルパンの指輪の隠し場所を知ってることなど、絆が強いということを示してくれたが良かったです。
ただ城に忍び込むのに用意した内容に関してはちょっと謎でしたけどね。
今回いつも以上の活躍をしてくれたのは我らが銭形のとっつあんでしょう。
この映画でとっつあんの最も有名なセリフといえば『いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。』です。
しかし個人的には違います。『今、ここに俺が来なかった?バカヤロー そいつがルパンだ! 』ですね。
この一言に「ルパン三世」が詰まっています。
また地下の牢獄を抜け出してオートジャイロを盗みに行くシーンは、その時に流れるBGM「サンバ・テンペラード」と相まみえてこの映画の最高のシーンの1つだと思います。
もうだいぶ古い映画の部類になってしまってると思いますが、魅力が最高に詰まった映画だと思います。
まだ見たことない方は、是非見てみてください。オススメです。
なお、映画の内容とは関係ありませんが、私が以前ニュージーランドにいた時、小さな町の図書館で 「ルパン三世 カリオストロの城」の英語版DVDを見つけました。
これってすごいことだと思いませんか?なお、その隣にあったのは黒澤明監督の「七人の侍」でした。