今回は館シリーズの第5弾「時計館の殺人」。時計館という館の中で起こる残忍な殺人事件が起こります。
なおシリーズ初となる「上下刊」という形になっております。(新装改正版のみ)
そのため今回は上巻を読み終わった後、某名探偵のようになりたいという想いから、自分で事件を推理しようと試みました。お時間ある方はどうぞご覧ください。
すでに時計館の殺人を全て読まれた方には是非読んでほしい内容となっています。
『あー、私も同じこと思ったー』や『こいつ、何言ってるんだよww』と思っていただけたら嬉しいです。
そして先日上下巻とも全て読ませていただきました感想としては、おもしろかったけど十角館と迷路館は越えられなかった、という感じです。
今回は綾辻 行人さんの著書【時計館の殺人】を読んだ感想を紹介します!
推理の結果とレビュー
これ以降はネタバレを含みます。ご注意ください。
まずは下巻のあらすじから。
あらすじ
館に閉じ込められた江南(かわみなみ)たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か? 凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章!
出典:講談社文庫 作品内容より
まず私が前回推理させていただいた内容の答え合わせからさせていただきます。結果は意外とビックリでした。
伊波さんのイヤホンはいったい?
いきなりですがこれは当たってましたね!
と言っても設置されている場所は時計ではなかったので、そこは間違えていましたが、80点ください。
そしてイヤホンの理由に関しては間違えてました。
「誰が永遠お嬢様が落ちてしまった落とし穴を掘ったのか?」というのを知るためだと思っていましたが、すでに知っていたんですね。名前とかは。
なぜ過去に多くの人が亡くなってしまったのか?
驚くほど間違っていましたね!
実際にみんな亡くなっていました。ホント呪われた館だったんだと思います。
伊波さんにしてはホントに辛い場所ですね。しかも娘の今日子の死の原因を作ったかもしれない由季弥を世話してた訳ですし。
娘の今日子の死が語られなかった理由も実は「落とし穴に落ちたのは今日子だった」という。ここはなかなか衝撃的だったと思います。
由季弥に対する伊波さんの態度
ここも気持ちいいぐらいに間違えていましたね!
由季弥は確かに狂ってしまっていました。しかしその狂い方が少し違うという。これに気づいた鹿谷さんは流石ですね。
そして「伊波今日子が永遠の代わりとして生活している」という推理。
これはとにかく恥ずかしさMAXですね!弟の姉大好き由季弥が気づかないわけないだろ!って話ですよね。ほんと。
「樫」「渡辺」「内海」が殺された理由
ここに関しては…まあ微妙に当たってた、という感じでしょうか。
樫早紀子に関しては、まあ当たってたといっていいでしょう。しかしこれは誰でもわかることですよね。
渡辺に関しては、私も少し気になってはいたんです。『同じ小説の同じ大学生に「涼」って漢字を使うなんて、なんか変だな』ぐらいですが。
メガネに関しては関係なかったようですが「勘違いで殺されてしまった」という事実は当たってました。
まあ数年前に姓が変わったなんてわかるはずもないけどね!
カメラマンの内海に関しては、みんなと同じ推理をして、見事に外れてました。
あの時にカメラの時間に関して気づけた人はホント名探偵だと思います。
顔に傷ができて自殺?まさか永遠は生きてる?
こちらはふと思ったことを書いただけですが、半分当たってました。
疑問に思った通り「落とし穴に落ちて顔に傷ができ、ショックで自殺」ってことはありませんでした。まあ人それぞれありますが、ちょっと納得するには無理がある…
しかし生きている、というのはなかったですね。館シリーズには裏をかかれすぎで、色々考えすぎました…こんちくしょ!
感想
やはり今回の一番はトリックだったと思います。時計館という特徴をとらえた素晴らしいトリックでした。
しかしなぜ今回十角館と迷路館は越えられなかった、と感じたか。
それは犯人の目星がつきやすかったこと。と言ってももちろん私も犯人は誰だかわかっていませんでしたが…
私が推理した結果、犯人と断定はできませんでしたが、時計館管理人の伊波紗世子が怪しいとは思ってました。
トリック云々は関係なく、管理人であれば館に詳しいと思いますし、イヤホンと由季弥に対する不自然さ。
何よりも娘が亡くなっている、という悲しい過去もある。明らかに何かが絡んでくるとは思っていました。
ただし彼女1人では難しいと思っていたので、休館には共犯者がいて、共犯者が殺人を犯し、伊波紗世子がうまくサポートする、というものが有力だと…
そこで気になっていたのが年齢です。ここで私の頭にある事実が浮かんできます。
10年前に亡くなっていたと言われている伊波紗世子の娘「伊波今日子」が当時9歳。
そして休館にいる女性、大学生の「新見こずえ」が現在19歳。
そしてもし今生きていたとしたら、伊波今日子は19歳…
そうなんです!伊波今日子=新見こずえ、彼女らは同一人物だったのだ!
これがわかった時、『あーもうこれが正解だ』と思ってしまいました。
しかも休館の中でも死体を発見した新見こずえは、犯人によって起こされ、その時に犯人に殺されていない。これは10年前に死んだと思われていた「伊波今日子」とその母親の「伊波紗世子」の共犯だ、とじっちゃんの名にかけて思いました。
…まあ、間違っていたのはお分かりですよね。調子乗って書かなくてよかったです。(ほっ)
よって今回はずっと伊波紗世子の事を疑っていたので、残念ながら全てがわかった時の驚きが小さかったです。
これが十角館と迷路館は越えられなかった、という理由でしょう。
ただ誠に不謹慎ながら言わせていただきますが、今回の事件は非常にテンポよく沢山の人が殺され、そこは推理小説として楽しく読むことができました。
犯人の伊波紗世子を含めたら結果11人死んでますからね。こんなに死人が出る推理小説も少ないと思います。
また、今回は鹿谷門実a.k.a島田潔が冴えまくってたのも楽しめた要因です。
結果として、今回も楽しめました!次は黒猫館…行ってみましょう!